佐渡 夫婦岩の伝説
高天原にいる天つ神に島々と神々を生むよう指示を受けた夫・イザナギノミコトと妻・イザナミノミコトではありますが、七番目の佐渡ヶ島を産み終えた頃、疲れ果てた妻の姿を夫はかわいそうに思い、自分らの分身を創り、高天原から目の届きにくい佐渡ヶ島の西側に隠し、残りの島々と神々を分身より誕生させ、佐渡で妻をいたわりました。
ある日、分身が火之夜芸速男神(ヒノヤギハヤヲノカミ・火の神)を誕生させようとしたとき、天つ神に見つかってしまいました。
それを知り、恐れおののいた火の神は、脱兎のごとく光熱を発しイザナミノミコトの女陰に戻り、体裁を繕ったのでありました。
しかし、その光熱により分身も赤茶色にただれ、またイザナミノミコトも例外ではなく、この事が原因で黄泉の国へと退いたとあります。
分身のある地名を「高瀬」と書いて「タコセ」と読みますが、高は、高天原の高で、この地は高天原と結ぶ場所であり、つづく瀬〈通り道〉がある場所であるといわれております。
いっぽう、読み方の[タコセ」のタコは蛸であり、蛸は海の忍者とも言われるように、体の形と色を自在に変えることができ、蛸のように景色を変えられる場所であったと云われております。
このことを踏まえ、改めて周辺を見てみますと景色を替える途中だったのであろうか色々な色の岩が点在し、夫婦岩も女岩の割れ目の周りだけが赤茶色くなっており、神話の世界も現実味を帯びてきます。
二つの大きな岩の付近は、弥生時代の遺跡があり、この岩にある穴からも、当時の貝殻や骨が出土しています。いにしえ人も神々の足跡に気づき、この地を選んだのでしょうか。いつの頃からか、二つの大きな岩は縁結びと安産の神様と崇められ、「夫婦岩」と呼ばれるようになり現在に至っています。
めおと岩DATA
N 37°59′52″ E 138°14′ 4″
♂ 高さ22.6m・右側(道路側)
♀ 高さ23.1m・左側(海側)
七浦海岸と夫婦岩
二見半島の七浦海岸の磯(海食台) は地盤の隆起によってできました 。そして磯には古い火山岩が露出しています 。
夫婦岩を作っている岩石は、日本海ができる前にシベリア大陸で、2500万年前に陸上で噴出した火山岩(安山岩)です。佐渡金山の金鉱脈の母岩と同じものです。それらの岩石は変質して緑色になっていますので、グリーンタフ (緑色凝灰岩)と呼ばれています。夫婦岩の独特な形は断層で刻まれたものです。
監修 新潟大学名誉教授 島津 光夫 博士
Nanaura coast of Futami peninsula and meoto-iwa (rock like married couple)
Marine platform of Nanaura coast was formed by uplift of the earth. Older rocks are exposed on marine platform. Rocks of the Meoto-iwa are composed of volcanic rocks. These rocks erupted on land in Siberian continent 20 million years ago before birth of Sea of Japan and are as same as the host rocks of gold-bearing quart veins in Sado mine. These rocks were altered to green color, therefore are called “green tuff”. Unique Shape of Meoto-iwa is product of Sculpture by fault.
コメント